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『ルートダブル』というタイトルが示すとおり、
この作品には2人の主人公による『視点別のシナリオ』が
用意されている。

渡瀬と夏彦──あなたはゲーム開始時、
どちらの主人公でプレイするかを選ぶことになる。



一般的な視点別シナリオでは、
『同じ時系列の出来事を描くタイプ(パラレルタイプ)』
が通例だ。(図1参照)


図1※クリックすると拡大画像が表示されます。



ところがルートダブルでは、あえて 『異なる時系列の出来事を
描くタイプ(シリアルタイプ)』を採用した。(図2参照)

図2※クリックすると拡大画像が表示されます。


この構成により、物語の起点──『事故』を境に、それぞれの物語は
2つの時系列に引き裂かれた。

夏彦が主人公のBルートは、『事故』が発生し、
9名がラボに閉じ込められるまでの『過去』が描かれる。
渡瀬が主人公のAルートは、『事故』が発生したのち、
9名を無事生還させるために奮闘する『未来』が描かれる。

2視点の時系列が『重ならない』ため、この事件の原因と顛末は、
片方のシナリオだけでは一部しか語られない。
全ルートクリアすることによって、初めて物語の全貌が見えてくる仕様だ。


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だが、この構成を採用した意義は、それだけに留まらない。
たとえば、任意に選択できる2つのルート、どちらのシナリオを先にプレイするかで、
この物語の質感、各人物への印象は、なぜか180度変わってしまう──そんな仕掛けが施されている。
どちらが先でも読むテキストは同じだが、先にプレイするシナリオによって読み手の受ける印象がかなり変わってしまうように工夫されている。
仮にあなたがAルートを先にプレイしていたとしたら、Bルートを先にプレイしたあなたの友人からは、
まったく価値観の異なる感想を耳にするに違いない。
その意味と理由は、全ルートのプレイを終えたときに明らかになる……。


Aルートの物語構造は、いたってシンプルだ。

原子力研究所の『ラボ』で発生した原因不明の事故により、メルトダウンが発生。
それに加えて、放射能漏洩防止システムが暴走。
地下と地上を結ぶ唯一の出口は、隔壁によって閉ざされた。
地下に取り残されていた9名は、放射能漏洩防止システムが復旧するまでの9時間、
死の閉鎖空間に閉じ込められる。


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9月16日の午前9時16分に地下で目覚めた渡瀬は、
同日午後6時16分の隔壁解放時刻までの9時間、
『死の灰で汚染されたラボの中で生き延びなければならない』。

あるいは、『一刻も早く別の脱出口を見つけ出して外へ逃げ出さなければならない』。
──そんな絶望的なサバイバルドラマが描かれる。

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レスキュー隊である渡瀬には、自分を含めた『要救助者9名全員を無事生還』させることも使命として課せられている。
シナリオ開始時点で渡瀬と行動を共にしているのは、同じく隊員の風見と洵のみ。広大なラボの中から、
残り6名を迅速に見つけ出さなくてはならない。

要救助者を見つけ出したあとは、全員の人間関係を円滑に
維持することが求められる。
極限状態下では、人間の本性が現れる。普段、温和で理知的な人物が、
限界まで追い詰められたときにも理性を保っていられるかどうか
……その答えは、本作の中で身を以て知ることになるであろう。


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『1108mSv/h』──これはAルート開始時におけるラボ内の放射線量である。普通なら1分足りとも無事ではいられない死の世界。
そんな地獄の中で渡瀬らが命を繋ぎ止めていられるのは、ラボから支給されたADという抗被曝剤を投与し続けているためだ。
4000mSvまでの放射線から人体を守ってくれるADだが、その効果時間は僅か60分。1時間ごとに再投与が必要なのだが、本数には限りがある。
全員を延命させるためには、ラボのあちこちに保管されているADを見つけ出さなければならない。
ラボの中では、いくつもの脅威が彼らに襲いかかる。鎮まることを知らない火災。断続的に発生する謎の爆発。
徐々に上昇していく放射線量。半壊したラボの建屋は、危険な障害物となって立ちはだかる。
渡瀬らの身に降りかかる困難はそれだけではない。捜索中に発見される謎の他殺死体……なぜかレスキュー隊から逃げようとする要救助者……。
そもそも、なぜ渡瀬は、記憶を失ったのか?
次第に疑心暗鬼にとらわれ、綻びだしていく人間関係。
全員生還どころではない。このままでは、全滅だ──。

刻一刻と変化する状況の中、あなたは『正しい判断』を下さなければならない。
認識を見誤った時、シナリオの要所要所に数多く仕掛けられた
『バッドルート』に陥ることだろう。
バッドルート──それは死を迎える結末である。このラボの中で起こりえる、
様々な死の危険性が渡瀬に次々と襲いかかる。
一瞬も油断も許されない、極限にスリリングなルート。


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──絶望。
渡瀬は、この数時間の中で、あらゆる絶望を知り尽くす。
パンドラの匣より放たれた幾多の絶望。

やがて、全てのバッドルートを回避し、出口の前に立った時──
渡瀬が目にするのは、
最後に残された希望か。
それとも………………。


Bルートの構造は、非常に風変わりだ。

『事故』によってラボに閉じ込められた夏彦と、その友人たち。
放射能漏洩防止システムの暴走は、放射能もろとも彼らを死の地下空間に封印した。


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9月16日の午前6時19分に発生したラボの複合事故に巻き込まれた夏彦らは、
生き延びるため、出口を求めてラボを奔走する。
その最中、夏彦は奇妙な体験をしていく。この事故に巻き込まれるまでの過程と、
その発端──6日前からの出来事が、
しばしば強烈なフラッシュバックとともに脳裏に鮮明に蘇えってくるのだ。
夏彦はラボからの脱出を試みながらも、
頻発する鮮烈な追想現象に翻弄される。
事故発生後の数時間、それと、ここに至るまでの6日間。この2つの時間軸を
交互に進行させながら、夏彦はラボからの生還を目指し、同時に、
事故の原因を再認識していく──そんな複雑でミステリアスなドラマが描かれる。

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自分と仲間たち……計4名の延命と脱出が目的なのはAルートと似ているが、加えて、この事故の背後関係
──真実を探っていくのも、また使命だと言える。
夏彦は、コミュニケーター適正があるとはいえ、それ以外は普通の高校生と変わりない。
ラボのような原子力研究所とは無縁の生活をこれまで送ってきた。立ち入る理由などないばかりか、近づく権限すらない。
夏彦の仲間──悠里、ましろ、サリュにとっても同じだ。それが、なぜ今回の事故に巻き込まれてしまったのか? 
どんな理由で、ここにいるのか? どうやって地下深くまで侵入していたのか? 行動を共にしている少女たちは、
夏彦とどんな関係なのか? 彼女たちの目的はなんなのか? 

外界と完全にシャットアウトされた地下施設から、どうやって脱出するつもりなのか?
シナリオ開始時点では、これらの情報は一切語られない。
多くの謎を抱えたまま、物語は進行していく。
その謎の解明に結びつくのが、夏彦の体験する『回想』だ。
『回想』は夏彦が現実の時間を10分進めるごとに、1回ずつ発生する。
この1回の『回想』につき、過去の1日分の出来事を思い出す。
(以降、便宜上、現実のシーンを『実時間』、回想中のシーンを『回想時間』と表記する)


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まるで夏彦は、すでに過ぎ去ったはずの回想時間を、もう一度体験するかのように追想していく。
6日前の9月10日から始まって、つい先ほど……事故発生直前の9月16日午前6時19分までの時間を、少しずつ少しずつ……。
そして実時間は、何かに向かって突き進むかのごとく、10分また10分と経過していく……。
すべての回想時間を終えたとき、夏彦は何を見るのか? 何を知ってしまうのか?

ここで、1つ疑問が生じる。
どういうわけか、回想時間の中にもシナリオ分岐が設けられているのだ。
過去は変えられないはずなのに、なぜ揺らぎが生じるのか?
回想時間とは、事実と異なる偽りの場面なのか?
あるいは……ラボに閉じ込められている実時間の方が幻なのか?


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回想時間の分岐──それは、やがて実時間の命運を左右する。
鍵を握るのは、仲間たちとの信頼関係。
事故発生までの平穏な日々の中で、彼女らと適切な関係を築くため、あなたは『正しい判断』を続けなければならない。
認識を見誤った時、実時間に仕掛けられた『バッドルート』に陥ることだろう。
バッドルート──それは死の体験である。
自らの運命を軽んじ、安寧な日常に耽溺した場合、夏彦の旅はそこで途絶え、真相は幻想に覆い隠される。
不可思議な現象……徐々に解き明かされる謎……姿を見せ始める物語の裏側……。
夏彦の記憶、体験、認識──いずれそれは、Aルートで渡瀬らの命運をも左右するという。
結末が一切予測不可能な、かつてないミステリアスなルート。

──BC。Beyond Communication。
人間が新たに会得した、超越的なコミュニケーション能力。
心と心を繋ぐ力。
Bルートを読み解くための、もう1つの鍵。
これが、どのように関わってくるのか?

生き延びるため、命ある限りあがき続ける夏彦は、
いつしか記憶の断片の中に、『真実』を見る。
それは、冷酷な夢の終わりであり、
残酷な真実の始まりであった……。

 

 

 

2つの物語、2つの時系列に引き裂かれた、2人の主人公。
ラボの中で両者が出逢い、互いを知るのは、果たしていつになるのか。
決して重ならないはずの2点が1つに重なり合う時、
封印されていた『真実』は、解き放たれる────!




※このページ内のゲーム画面は開発中のものです。 今後の調整により、画面のレイアウトやデザイン、 演出、操作方法などは変更する可能性があります。
※画像はクリックすると拡大表示します。


ルートダブルには、2つの独創的なゲームシステムが採用されます。
本作の物語をハッピーエンドへと導くためには、この2つのシステムを駆使しなければなりません。


ルートダブルには、選択肢が存在しません。
しかしながら、キャラクターの生死や好感度に影響するようなシナリオ分岐は確かに存在します。(1本道ではありません)
以下、どのような手段で分岐させているのか、順を追ってご説明します。

本作は、普通のテキストADVのようにメッセージを読み進めてゲームを進行させます。
普通であれば途中で選択肢が出てくるところですが、いつまで経っても
選択肢は出現しません。
まるで1本道のシナリオのように、ノンストップでストーリーが進んでしまいます。

しかし、そのまま何もせずに進めてしまうと、いずれバッドエンドを
迎えてしまうことになります。

どこかに正しいルートへ分岐する『分岐ポイント』があったはずですが、
シナリオを読み返してみても、やはり選択肢はありませんでした。

では、選択肢以外の方法で、どうやって分岐させるのでしょうか?

ここで登場するのが『Senses Sympathy System(センシズ・シンパシィ・システム)』
というゲームシステムです。

このシステムをご説明する前に、『エニアグラム』という概念について
解説しなければなりません。





画面隅にある魔方陣みたいな図形。これが『エニアグラム』です。

エニアグラムは人間の性格を9種類に分類する性格診断の一種で、
ラボに閉じ込められる9名は、その9種類の性格のどれかに分類されています。
(悠里ならType9『調停者』、ましろならType2『援助者』、等。
 詳しくはキャラのプロフィール参照)

この画像のように、エニアグラムの各点に9名が割り当てられるわけです。
エニアグラムは、ゲーム画面の隅に常時表示されます。

エニアグラムの上には、レーダーチャートのようなグラフが表示されています。
このグラフは『Senses(センシズ)』を示すシンボルです。

Sensesには「印象、感情、感覚」等の意味があります。
ここでは「主人公が他のキャラをどう思っているか」、
平たく言えば、主人公の「共感の度合い」を視覚化したもの、と捉えてください。
Sensesが高ければ、そのキャラに対して「共感している」「好意的な感情を持っている」
「意見に賛成している」という意味合いになります。
逆に低ければ、「反感を抱いている」「マイナスの感情を持っている」
「意見に反対している」となります。

Senses Sympathy Systemを使ってプレイヤーができることは、
この『Senses(センシズ)』の操作です。


グラフの形は、エニアグラムに割り振られた9名のSensesと対応していて、
Sensesを上げ下げすることでグラフの形が変化します。

Sensesは、ラボに閉じ込められる9名分(夏彦、渡瀬、悠里、ましろ、
サリュ、風見、洵、恵那、宇喜多)用意されていますので、
9名それぞれに対する共感の度合いをプレイヤーは操作できるということです。
主人公含めて9人ですから、Sensesの評価対象には自分自身も含まれます。
この場合、自分の直感や意見に自信を持つか持たないか、
という扱いになります。

Senses Sympathy System(感覚同調システム)――まさに主人公の
様々な感覚=Sensesを、プレイヤーに決めてもらうシステムです。

このように、Sensesを任意のタイミングで変更しながらゲームを進め、
所定の『分岐ポイント』で、
Sensesの大きさ(数値)に応じてストーリーが自動分岐する
――これがSenses Sympathy Systemのプレイスタイルです。


 風見のSensesを上げ、渡瀬のSensesを提げる


それでは、実際に分岐していくプロセスを見ていきましょう。


分岐例) ラボの火災消火中の1シーン

1:分岐が近づくまで、シナリオを読み進める。


 

分岐が近づくまでは、Sensesは操作できません
(Senses操作不可のときは、グラフが灰色になっています)。
ストーリーの展開をよく読んで情報を把握しながら、分岐に備えます。
この分岐例では、激しい火災が発生しているラボの通路において、
渡瀬と風見がどのように振る舞うべきかを判断することになります。
なお、ここに至るまでのシーンで、風見から
「記憶が戻るまでは、隊長を新人隊員として扱います。
隊長は守部と同様、私の指揮下に入ってください」
と注意されています。


2:分岐が近づくと、Senses(グラフ)が光る。分岐の重要度にあわせて色も変わる。
Senses(グラフ)が光ったら、分岐が近づいた合図です。
Sensesが操作可能になります。
また、近づいた分岐の重要度に応じてグラフの色も変わります。
分岐の重要度の種類は、『ブルー分岐』『イエロー分岐』『レッド分岐』
の3種類あり、その名の通り、
Sensesのグラフの色が青・黄・赤のどれかに変わります。
ブルー分岐
重要度:低。主に好感度を増減させるための分岐。
若干セリフが変化するが、ストーリーの流れはほとんど変わらない。
気に入ったキャラのSensesを上げておく……などという判断基準で構わない。
ただし、好感度の累積によって後半大きくストーリー分岐したり、
ごくまれにバッドエンドの判定に好感度が使われることも。
あまり極端に偏った操作はせず、どのキャラもそこそこ
好感度をあげておく方が無難。
イエロー分岐
重要度:中。行き先の選択、誰の意見を採用するか、等の
比較的大幅にストーリーが変化する分岐。
よりプレイヤーの望む展開に分岐できるように、分岐条件を探った方が望ましい。
レッド分岐
重要度:高。生き残るか死ぬかの命に関わる分岐。
非常に危険な作業中の判断、誰かに殺されかけている時の受け答え、等。
分岐を誤ると即バッドエンドに。
ゲームオーバーにならないよう、慎重にSensesの値を検討すべき。
  分岐例では、Sensesが赤くなっていますのでレッド分岐です。判断を誤るとバッドエンドになります。
  消火作業に出しゃばろうとした渡瀬が、風見に「下がれ」と制止されています。


3:プレイヤーはSensesを操作するかどうかを決める。
  操作しないと決めたプレイヤーは、そのまま何もせずにシナリオを進める。(何もしない場合は6に進む)
  分岐例ではSensesの値が中庸で、どっちつかずな印象があるので、数値を変えた方がいいかもしれません。


4:Sensesを操作することにしたプレイヤーは、STARTボタンを押してSenses入力モードに。
Sensesを操作するプレイヤーは、STARTボタンを押して
Senses入力モードに切り替えます。
Sensesが拡大表示され、エニアグラムに対応するキャラが
顔アイコンで表示されます。(縮小時は、名前の頭文字が表示)
方向パッドでキャラを選択肢して、Sensesを増減させます。
Sensesの増減は9段階です。

  なお、ここでSensesを操作できるのは、間近の分岐に関わるキャラのSensesだけです。
  分岐に影響しないキャラのSensesは操作を受け付けません。
  1キャラだけしか操作できないシンプルな分岐もあれば、まれに9キャラ全員分の操作が可能な複雑な分岐もあります。

  分岐例では、渡瀬と風見が分岐に関わってきますので、渡瀬と風見のSensesだけが操作できます。


5:Sensesを決定するとグラフが固定される。
Sensesの大きさを決めたら、Aボタンで確定させます。
するとグラフが固定され、Sensesの操作ができなくなります。
以降、新たな分岐に近づくまでSensesは操作不可になります。

確定させるまでは何度でも入力しなおしができますので、
慎重に考えてください。
(逆に、確定させないで入力モードを終えると、このとき入力した値は
 キャンセルになります)

  分岐例では、風見のSensesを高く、渡瀬のSensesを低くしています。
  風見を信頼して彼女の意見に重きをおく、と同時に、渡瀬(自分自身)の考えに自信を持たない。という意味合いになります。
  この状態でSensesを確定させています。


6:シナリオを読み進め、分岐ポイントに到達すると、ストーリーが分岐。

入力モードを終えたら、引き続きシナリオを読み進めます。
やがて分岐ポイントに到達すると、Sensesの値に従って
シナリオが分岐します。

分岐の結果、誰かの好感度が増減したり、シナリオ展開が変化したり、
バッドエンドになったり(あるいはバッドエンドを回避できたり)します。
分岐ポイントを過ぎると、Sensesのグラフの色が灰色に戻ります。
この時入力したSensesの値は保持され、その値が次回分岐の初期値となります。

分岐例では、風見のSensesが高かったため、
渡瀬は風見に消火ホースを譲り、風見が消火を行います。
火は無事に消し止められ、物語はそのまま継続します。
以降、風見のSensesが高く、渡瀬のSensesが低い状態が
初期値として保持されます。
こうして、次の分岐までシナリオを読み進められるようになりました。


  しかし、もしも入力したSensesが、逆に渡瀬が高く、風見が低かった場合は……。


その場合は、このように渡瀬はホースを譲らずに炎に特攻します。
結果として渡瀬は焼死してバッドエンドになります。

ちなみにこの分岐条件は、「渡瀬Senses < 風見Senses
(風見のSensesの方が渡瀬よりも高い)」ですので、
プレイヤーがセンシズを操作せずに初期値(全員のSensesがニュートラル)
のままでも、こちらに分岐します。

「渡瀬は、記憶が戻るまで風見の指揮下に入れ」というセリフがあった通り、
この時点の渡瀬は記憶喪失でレスキュー隊の感覚を忘れていますので、
風見を信頼して任せるのが正解と言うことです。

   

  以上のようなプロセスで分岐が行われます。
  プレイヤーは必要に応じてSensesを操作しながら、ハッピーエンドに繋がる正しい分岐(ルート)を探すことになります。

  なお、分岐数は2パターンに分岐する場合もあれば、 3パターン以上に分岐する場合もあります。
  選択肢とは異なり、分岐条件や分岐数は、実際に分岐を見つけるまでわかりません。
  レッド分岐が登場する割合は全体の数パーセントほどではありますが、 クリアのためには、より能動的な物語への参加が必要になります。
  分岐条件のヒントとなるメッセージやセリフが、 その分岐までの過程にあるはずですので、 読み飛ばすことのないようにご注意ください。

  本作における「ハッピーエンドへの道筋(ルート)」は、 あらかじめ示されているものではなく、
  プレイヤーが主人公と一緒になって切り開いていくものなのです。



ルートダブルに採用される、もう1つのシステムは、『RAM System(ラム・システム)』と呼ばれるものです。
これは、シナリオが進行して「ある特定のシーン」に到達したときに
自動的に切り替わるゲームモードです。

シナリオ選択画面(あるいは、ロード画面)のように、
画面上にシナリオのエピソードが「タイトル」と「サムネール」でリスト化されます。

そのリストの中からプレイしたいシナリオを任意に選ぶと、
「あるシチュエーション」に沿ったショートシナリオが開始されます。

RAM System中のシナリオでも、Senses Sympathy Systemが使えて、ストーリーは分岐します。
このモードでも、どのように分岐させるかが重要なキーになってきます。

選んだシナリオを最後までプレイし終えると、またシナリオ選択の画面に戻ってきます。
これを繰り返しながら「ある特定の条件」を満たすゲームモードです。

現時点でRAM Systemについて説明できるのは、ここまでです。
このシステムを詳細に説明するためには、物語終盤の重大な「秘密」に触れなければならないため、詳しくは実際のプレイの中でご確認ください。



『Senses Sympathy System』と『RAM System』、この2つのシステムを駆使して、謎に満ちた2つのルートを紐解いていく。
――それが『ルートダブル』です。

これらのシステムは、本作の物語に「一部分」として組み込まれています。
文字通り、システムも物語の一部ということです。
ルートダブルのシステムは、ただシナリオを遊ぶためのルールでも、シナリオを中断させる障害でもありません。
システムの本質がシナリオの中枢と絡んでくる、システムとシナリオが密接に融合した『ゲームならではの物語』です。
この言葉の「意味」は、ゲームの後半で真相とともに体験してください。

※これまでにないプレイスタイルを要求することになりますので、操作方法やルールを説明するチュートリアル機能を搭載する予定です。

※このSenses Sympathy System、および、RAM Systemについては、電撃オンライン様掲載の制作者インタビュー記事でも詳細に触れているので、あわせてご覧ください。

 

 

©イエティ/Regista